皆さま、大変ご無沙汰しております、『書店本事』発起人の小島あつ子です。
『書店本事』出版後、コロナ禍を経て早幾年月…なんと今年、台湾では『書店本事』プロジェクトが再始動しており、それに合わせて本国出版の2014年から10年目の昨年、新たに40店の台湾独立書店を活写した映像作品集『書店裡的影像詩』が撮影されました。
第1季40店(『書店本事』書中にリンクを収めたものになります、現在一時的に視聴不可となっています)、第2季(2016年)40店、今回さらに40店と、120店もの独立書店を映像に収め続けているホウ・チーラン監督と製作会社・スタッフの皆さん、すごくないですか!?(ちなみに、現在台湾全体で独立書店の数は200軒あまりとのことです)
新たに撮られた40店については、昨年11月に開催された台湾で最大の映画祭「金馬映画祭」にて16店分の映像集がワールドプレミアとなり、続く今年6月には「台北映画祭」で新たに15店を編集した劇場版が『書店裡的影像詩:停駐與穿越』のタイトルでお披露目されました。そしてなんと、この劇場版がこのたび8月に大阪で開催される「We TAIWAN 台湾文化 in 大阪・関西万博」のプログラム「台湾映画の輝かしい今昔」にて『ポエトリーズ・フロム・ザ・ブックストアズ』の邦題で日本初上映(8/15(金)、18(月)の2日間)、さらに8/15にはホウ・チーラン監督が来日し、アフタートークに登壇する運びとなりました!
・・・というわけで誰かに宣伝を頼まれたわけではありませんが居てもたってもいられず、今般の上映イベントと作品を紹介させていただきたく、製作会社・夢田影像の許可を得た上でサウザンブックス社にもご協力いただき、久しぶりにこちらの「活動報告」を更新した次第です。普段着の台湾の「今」を感じられる『ポエトリーズ・フロム・ザ・ブックストアズ』で、行ったつもりの台湾書店めぐりを再び!
『ポエトリーズ・フロム・ザ・ブックストアズ』
2025年/台湾/90分/原題:書店裡的影像詩:停駐與穿越
監督:ホウ・チーラン(侯季然)
©Dreamland Image Co,.Ltd
[上映日時]
①8月15日(金)19:00 (上映後トーク付)
②8月18日(月)19:00
会場:大阪市中央公会堂 1階大集会室
※入場無料/要予約
詳細・お申込みはこちら
https://wetaiwan.tw/jp/program/33
[作品概要]
書店はひとつの風景である。
時間をかけ、古書を丁寧に繕いカヴァーをかける愛書家。客を連れて山に分け入り薬草を採取し、植物について学びながら薬草茶を作る店主。故郷の山林を守るために書店を開いたエコロジスト。漁師たちのために文字や映像で記録を残す、漁村に嫁いできた女性。書店は山間(やまあい)に、海辺に、存在するだけではない。そこには人々の物語が溢れているのだ。店の前に生き残ったスターフルーツの樹は死期迫る病人の最期の願いを叶え、西からの旅人は極東の小さな村のために曲をしたため、異郷の者たちは喧騒渦巻く台北の街頭で故郷を追われた香港人の物語を語り継ぐ。散文詩のような、美しく洗練された15の短編映像は、人間味溢れる書店をテーマにひとつの作品となり、目には見えない記憶を私たちに語りかけてくる。
©Dreamland Image Co,.Ltd
監督のホウ・チーランは詩的な映像で時代の記憶を描くことを得意とする。2013年から台湾各地の独立書店を記録した『ポエトリーズ・フロム・ザ・ブックストアズ』は、今回で第3シーズンを迎えた。15軒の小さな書店を異なる手法で描く映像詩には、ゆったりとした長回しあり、心に響く小さなエピソードあり…じっとりとした雨の日でさえ、温もりのある本の香が漂ってくるようだ。ホウ・チーランは観察者の視点から書店の風景をスケッチし、消えゆく書店のためにひとつの生き方と時代の印象を映像に刻み込む。
(台北映画祭の紹介文(https://www.taipeiff.taipei/tw/movies/41b6aDF6e852)より、小島試訳)
©Dreamland Image Co,.Ltd
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「台湾映画の輝かしい今昔(https://wetaiwan.tw/jp/program/26)」では1960年代に撮られた貴重なドキュメンタリーを始め、台湾のハリウッドこと北投で台湾語による娯楽映画が沢山作られた作品群のなかからイソップ童話にインスピレーションを得た異色作、台湾ニューシネマを代表する巨匠たちの有名作品から台湾社会の多様性・多元性を垣間見ることのできる最近の劇映画まで、国家電影及視聴文化中心(台湾の映画アーカイブ機関)セレクトによる10作品が上映されます。長年のホウ・チーラン監督作品ファンであり『書店本事』翻訳出版プロジェクトの発起人として、本作がそのひとつに選ばれたことほど嬉しいことはありません。
・・・そして今回の上映会場となる大阪市中央公会堂 1階大集会室ですが、1000席を超える大変大きなホールになります。ホウ・チーラン監督が台湾のとあるポッドキャスト番組で、「日本の皆さんに見てもらえるのを楽しみにしている」と仰っておられたので、ひとりでも多くの方に足を運んでいただきたく、お盆休み中のいろんな意味で絶妙なタイミングではありますが、『書店本事』をご支援くださった皆さまにはご予定が合いましたらぜひ足をお運びいただければ幸いでございます!
以上、発起人からのお願いでございました。(小島)
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We TAIWAN 台湾文化 in 大阪・関西万博
会期:2025年8月2日〜20日
会場:VS.(グラングリーン大阪)、大阪市中央公会堂、こども本の森 中之島、中之島
公式サイト https://wetaiwan.tw/
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